あなたの聴いてるその曲、実はチョー圧縮されてる!?こんな世の中だからこそ高ビットレートな音楽を楽しもう!
高音質な音楽が憂鬱を消し去ってくれるかも!?
あなたは日頃どんな音楽を聴いていますか?実は世界第二位の音楽市場を持つ日本、日常的に音楽を楽しんでいる人は多いはずです。家族や友人との楽しい時間が倍増し、時には嫌なことを忘れさせてくれたり寄り添ってくれる、音楽ってホントすごいですよね!
さて、あなたが普段音楽鑑賞する際、どんな環境で聴いているでしょうか。おそらく多くの人が、身近なスマートフォンを使ってダウンロードやストリーミングした曲を楽しんでいるのではないでしょうか?電車に乗れば、通勤や通学途中にイヤホンをしながらスマホをいじっている人を多く見かけますよね。
技術の進歩によって私たちはとても手軽に音楽を聴くことができるようになりました。(40年くらい前はラジオから流れた音楽をカセットに録音してウォークマンで聴いていたそうですよ…)
ですが実際、そのように聴かれている音楽のほとんどは元の音源からかなり圧縮され、劣化してしまってるのをご存知でしょうか!
圧縮した音源からはポジティブ要素が無くなる!?
実はその圧縮した音源は身体に悪いかもしれません。
香港科技大学のロナルド・モー氏らの研究によると、音源を圧縮すると楽器の持つ感情的特徴(Perceived Emotional Characteristics)に明確な変化をもたらすとしています。
論文によれば、圧縮音源は「悲しみ」「恐怖」などといったネガティブ要素を増幅させ、反対に「幸せ」「穏やか」などポジティブな要素を減少させてしまう効果があるとしています。また「怒り」の感情には大きな影響がなかったとのことです…。
とまぁ、詳しい話もせずにいきなり音源圧縮による影響の話題から始めてしまいましたが、世の中暗いニュースばかり飛び交っているこの状況で、音楽聴いてネガティブになったらたまったもんじゃないですよね。
でも反対に、なるべく圧縮されていない音楽を聴くようにすれば、その楽曲が持つ本来のポジティブな要素をめいっぱい浴びることができるということですね!
音源の圧縮とビットレートのお話
音源が圧縮されると色々影響があることはわかったけど、実際音源が圧縮されるっどういうことでしょう?
この話を理解するにあたって、「ビットレート」という言葉を知っておくと便利です。
「電気通信やコンピューティングにおいて、ビットレート・ビット速度(ビットそくど、英: bit rate, bitrate)とは、単位時間あたりに転送または処理されるビット数である。変数Rとして表される。 ビット速度には、通常ビット毎秒(bit/s)の単位が用いられ、キロ、メガ、ギガ、テラなどのSI接頭辞と組み合わせて使用される。非公式な略称”bps”が”bit/s”の代わりに使われることが多く、例えば「1 Mbps」は100万ビット毎秒を意味する。 1バイト毎秒(1 B/s)は8ビット毎秒に相当する。」(Wikipediaより)
とまあこんなの見てもわからない人にはちんぷんかんぷんですよね…
簡単に説明すれば「ビットレート」とは音楽以外にも映像やコンピューターの世界でも使われる言葉で、1秒間に送受信できるデータ量のことをいいます。また、実際は「bps(ビーピーエス)」という単位で表されます。
もっと平たくいえば、そのモノの情報の大きさです。そしてこのビットレート、音の世界では「○○○kbps(キロビーピーエス)」といった表記で表され、中の数字が大きい方が情報量が大きい=高音質ということになります。
つまり音源を圧縮するということは、データを軽くするためにビットレートを小さくするということですね!
ちなみに上記の香港科技大学の研究ではMP3の圧縮音源32Kbps・56Kbps・112Kbps、および非圧縮の異なるビットレートの音源を聴き比べて調査しています。
つまり音の情報量としては、
32Kbps(小さい)→56Kbps(中くらい)→112Kbps(大きい)
ということですね。
また、この32Kbpsの音源を体験してみたい方はYouTubeで好きな曲を開いて画質を240pに設定して音を聴いてみて下さい。(身体に良くないので自己責任で。笑)
実際に僕も聴いてみましたが、意外と想像より聴けるなという印象でした。後で説明しますが、コレ数値的にはかなり低いビットレートです。でもこのくらいの音質で聴いている中高生なんかいっぱい居そうな気がします…。
「ビットレート」について理解すると、どれだけ普段耳にしている音楽が圧縮されているかが目に見えてわかるようになりますよ!(ビットレートの求め方やサンプリング周波数などもっと深い話はまた機会があれば。)
実は世の中圧縮音源だらけだった!?
さて、小難しいお勉強の時間はここまでにして一番最初の話へと戻りましょう。実は僕たちが普段スマホで聴いている音楽はチョー圧縮されているんです!
具体的に見ていきましょう。
まず、一般的な基準となるCD音源のビットレートは1,411.2 kbpsです。(ちなみにこれ以上のビットレートの音源がハイレゾ音源と呼ばれます)
そして日本でダントツのシェアを誇るスマートフォンのiPhone。多くの人が使っているこのスマホで聴く音源のビットレートは、最大256 kbpsです…。(iTunes Store、Apple Musicのダウンロード音源)
なんとCDの五分の一以下…いやいや、これでも十分高い方なんですよ!
iTunes Storeのビットレートは少し前まで半分の128 kbpsでしたし、YouTubeの音質はフルハイビジョンや4Kに設定しても最大196 kbpsまでしかありません。
SpotifyやLINE MUSICなどのストリーミングサービスで最大320 kbpsくらいとなっています。なお、4G回線を使用した場合はその半分程度になってしまいます。
(その他ストリーミングサービスのビットレートについて詳しく知りたい方は→https://kondokaoru.jp/music-etc/streaming-haishin-kurabeが参考になります。)
実際のところ有料サービスでも128~320 kbpsがほとんどのようですね。
それに加えて、中高生なんかは違法アプリ(Music FMなど)を使って無料で音楽を聴いていることも多いですよね。これらの音源はネット上にあがっているものをコピーしただけなので、ビットレートが低いのは言うまでもありません。
ビットレートが高いに越したことはない!でも…
確かに音質という側面において、ビットレートが高いに越したことはありません。しかし、音楽サービスのほとんどがわざわざ100~300kbpsの圧縮音源を使用しているのにはもちろん理由があります。
大きな理由は通信量を抑えるということです。
CD音源で1時間分の音楽を聴いたとすると、その情報量は約600~700MBくらいになります。これで毎日1時間音楽を聴くとすると600×30=18000(18GB)もの情報量になってしまいます。
携帯回線で通信したら毎日が通信制限との戦いです。。。笑 仮にダウンロードしたとしても、スマホの容量はほとんど音楽に圧迫されることになって現実的ではありません。
こうしてみてみると多くの音楽サービスが音源を圧縮しているのは納得してしまいますね。
こんな世の中だからこそ高ビットレートな音楽を聴こう!
「ステイホーム」が流行語になっている昨今、外に出られず陰鬱な日々が続いていますね。ですが自宅にいる今だからこそ、高ビットレートな音楽は体験しやすいのです!
確かに高ビットレートな音源は情報量が多く扱いにくいデメリットがありました。しかし、自宅であればWiFiを使用できたり、パソコンなど保存容量の大きな端末を使える場合が多いはず!(ない人もいるかも知れませんが、)
でもどうやって聴くの??
CDやレコードをプレーヤーで聴くのもありですが、もっと手軽にたくさんの曲を聴いてみたい方におすすめは「mora qualitas」というストリーミングサービスです!
この「mora qualitas」はソニーが昨年末に開始したハイレゾ音源中心のサブスクリプションサービスで、スマホやパソコンで手軽に超高ビットレートな音楽を楽しむことができます。(全ての音源がCD以上の音質)
月額1980円(税抜)ですが1ヶ月無料で体験できるので、この機会に高ビットレートの世界に足を踏み入れてはいかがでしょうか!
高音質な音楽をいっぱい聴いて、自粛疲れをふっ飛ばしましょう!
参考ページ
MP3で圧縮すると音源から「幸せ」や「ロマンチック」といったポジティブな感情が失われていく – GIGAZINE
https://gigazine.net/news/20190121-effects-mp3-compression/
香港科技大学の研究論文「The Effects of MP3 Compression on Perceived Emotional Characteristics in Musical Instruments」
http://www.aes.org/e-lib/browse.cfm?elib=18523